お知らせ

RSA Conference 2025 現地レポート

2025年4月28日(月)から5月1日(木)(現地時間)まで、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで開催された
RSA Conference 2025に参加いたしました。現地で注目を集めていた技術やトピックスをご紹介いたします。

RSA Conferenceとは

RSA Conferenceは、世界最大級のセキュリティ展示会です。毎年サンフランシスコで開催され、基調講演やブース展示、パネルディスカッションなどを通して、最新のサイバーセキュリティの動向が発信されます。
今年は650以上の企業が出展し、過去最多の約44,000名が来場したと発表されています。
弊社が技術支援を行っているXM Cyber社やCyberArk社もブースを構え、多くの来場者でにぎわいました。

今年の注目キーワード:Agentic AIとは

今年のカンファレンスで特に注目を集めたテーマのひとつが「Agentic AI」です。
従来のAIが人間の指示に従うものであったのに対し、Agentic AIは自律的に目的を判断し行動するAIとして注目を集めています。例えば、セキュリティインシデント発生時に、最適な対応策を自ら判断し実行するといった活用が期待されています。
※ Agentic AIとはAGI(汎用人工知能)を定義する5つのレベルのうち”レベル3”に分類されます

レベル1:対話型AI=Chatbots
レベル2:推論型AI=Reasoners
レベル3:自律型AI=Agents
レベル4:イノベーション型AI=Innovators
レベル5:組織型AI=Organizations

Innovation Sandbox

カンファレンス初日に開催される「Innovation Sandbox」は、将来性のあるセキュリティスタートアップ10社を厳選した3分間のピッチコンテストです。ここで紹介される技術やサービスは、今後のサイバーセキュリティ業界を牽引する可能性のあるソリューションとして毎年注目を集めています。過去には数十億円規模の投資に至った事例もあります。


今年の参加企業10社は以下の通りです。

1.Twine Security
サイバーセキュリティ業務を担当するAI駆動型のアイデンティティ管理システム「Alex」によってサイバーセキュリティチームの効率を向上させるためのデジタルサイバーセキュリティ従業員を提供。

2.Command Zero
AIによる自動化を実現したサイバーインシデント調査プラットフォームを提供。
複雑なセキュリティ調査を自動化し、迅速かつ正確なインシデント対応を実現。

3.CalypsoAI
生成AI(Generative AI)や大規模言語モデル(LLM)をランタイム防御、エージェントのテスト、ガバナンス強化で、安全なAI活用を支援するソリューションを提供。

4.Aurascape
生成AIの導入に伴うリスク管理を支援するセキュリティプラットフォーム。
AI利用時のセキュリティリスクに対応するため、リアルタイムでAIアプリケーションの使用状況を可視化し、データ漏洩や脅威から企業を保護するプラットフォームを開発・提供。

5.Knostic
大規模言語モデル(LLM)の導入に伴うデータ漏洩リスクに対応するため、「必要知識(Need-to-Know)」に基づく
アクセス制御を提供し、企業が安全にAIを活用できる環境を提供。

6.Smallstep
デバイス認証とアクセス制御を強化するデバイスアイデンティティに特化したプラットフォームを提供。

7.Metalware
OTやIoT機器などのファームウェアの脆弱性を自動検出・修正するバイナリファジングプラットフォームを提供。

8.MIND
データ損失防止(DLP)および内部リスク管理(IRM)プログラムを自動化するデータセキュリティプラットフォーム。
AIとスマートオートメーションを統合したインテリジェントなDLPプラットフォームを提供。

9.EQTY Lab
AIエージェントの信頼性を検証する「AI Integrity Suite」を提供。
暗号技術、ハードウェアセキュリティ、分散型台帳技術を活用し、AIの開発から運用までの全ライフサイクルにわたって
検証可能なガバナンスを実現。

10.ProjectDiscovery
脆弱性管理や検出の自動化を行うオープンソースの脆弱性スキャナー「Nuclei」を提供。
Nucleiによって実際に悪用可能な脆弱性を迅速かつ正確に検出することを実現。

 

各社3分間のピッチが終わり、結果的にはProjectDiscoveryとCalypsoAIが同票という形になりましたが、最終的な勝者はProjectDiscoveryでした。
同社が提供するオープンソースの脆弱性管理プラットフォームは、迅速な脆弱性検出と対応を実現する革新的な技術として高く評価されていました。

<ProjectDiscovery 公式サイト>
https://projectdiscovery.io/

 

おわりに

今回のRSA Conferenceでは、Agentic AIやクラウドアプリケーションセキュリティ、セキュリティ運用の効率化など、次世代の技術が多くのセッションで取り上げられ、サイバーセキュリティの未来に向けた熱気を感じる4日間となりました。

なお、弊社が技術支援を行っているXM Cyber社は、6月開催のInterop Tokyoにも出展予定です。
講演登壇もございます。弊社社員もブースでお待ちしております。
ご来場の際は、どうぞお気軽にお立ち寄りください!

<Interop Tokyo>
日時:6/11(水)~6/13(金)
場所:幕張メッセ
URL:https://www.interop.jp/

<XM Cyber社 講演情報>
日時:6/13(金) 15:10-15:50
会場:RoomKB
講演タイトル:オープンハウス様と語る!予防型セキュリティ「CTEM」の実践と導入効果
URL:https://forest.f2ff.jp/introduction/10433?project_id=20250601

 

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